聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 (はあ……)
 アンナは答えをはぐらかすと、エドワルドに隠れて小さく溜め息を吐いて地面を見つめる。
 森の奥へと歩みを進める自分の足と地面が見える。
 (結構、一緒にいるのに……)
 アンナは心の中で呟きながら、足元を見ている。
 アンナの足は森の地面を歩いて、森の奥へ進んでいる。
 進んでいるのは歩みだけなのをアンナは切ない視線で見つめる。
 アンナは足元を見つめて歩いているとエドワルドに肩を叩かれ、彼に視線を戻す。
 エドワルドはアンナを見ずに、真っ直ぐ険しい視線で立ちはだかるものを捉えている。
 「!」
 アンナは自分たちの前に現れた五体の魔物を見て目を見開く。
 その魔物は魔獣と呼ばれ、犬のような姿をしている。
 魔獣は攻撃性が高く、凶暴で倒すのが困難だ。
 目の前に現れた魔獣の一体は七メートル以上ありそうな、魔獣の中でもかなり大きい部類に入る。
 「エドワルド様!」
 アンナは首から下げているロザリオを握り、エドワルドへ視線を向ける。
 エドワルドは臆する事なく、外套を外して背中から聖剣を抜く。
 アンナはロザリオを両手で握って祈りを込めると、右手の手の甲に聖女の紋章が白く光って現れる。
 エドワルドと聖剣の刀身がアンナの聖女の力で白い光を放つ。
 エドワルドは勇ましい微笑みでアンナに声をかける。
 「行くぞ、パートナー」
 「はい!」
 アンナは祈りながら、勇ましい笑顔で返事をする。
 エドワルドはアンナの返事を聞くと、威嚇している魔獣へ向かっていった。
< 59 / 133 >

この作品をシェア

pagetop