聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 アンナの葬儀は滞りなく行われている。
 葬儀の参列者はアンナに白いユリを手向けていたが、エドワルドは白バラを手向けた。
 その白バラにはエドワルドがアンナと最期の別れをした時と同じ気持ちを乗せた。
 アンナに伝えた、エドワルドしか知らない白バラの本当の意味。
 エドワルドはアンナから白バラの返事を聞きたいが、目覚めない眠りについているアンナは答えてくれない。
 エドワルドは献花台から立ち去れずにいる。
 聖女と呼ばれるようになったアンナは教皇に聖人と認められて大聖女の称号を得た。
 そのためアンナは女性聖人が眠る霊廟へと安置される。
 霊廟へ入るには教皇の特別な許可が必要だ。
 墓参りもできず、二度と会うことはできない。
 エドワルドは強い気持ちで踵を返し、献花台から立ち去る。
 棺で横たわっているアンナは遠くなっていくエドワルドの後ろ姿に動かない唇で呟く。
 (わたしも愛しています)
 アンナの動かないはずの唇が動くと同時にマリーの唇も動く。
 マリーの意識が遠くなり、何かに引き戻されるかのように夢から覚める。
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