聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました

2.聖女の力を失ったアンナ

 アンナは目覚めたばかりだが、帰るためにベールを付けてコートを着て身支度を整える。
 アンナはレユスットが用意した馬車に乗り込むと、ハンナに見送られてレユスットと共に教会を後にした。
 どうやらハンナの教会はアンナの国の同盟国である隣国のアールヌーヴ国だったようだ。
 馬車は魔物が出現する森を通り、アンナが聖女として奉仕している聖女修道院へ馬車を走らせる。
 本当ならば森を迂回しなければならないが、国へ戻るまでに何日もかかる。
 森を通れば半日で着くため、体調が悪いアンナの負担を考えて近道をしている。
 森には魔物が現れても対処できるように、馬車の通り道はレユスットの部下たちが警備している。
 レユスットもアンナと共に馬車に乗り、アンナの隣に座っている。
 アンナは馬車の窓に寄りかかり、苦しそうな辛い表情を浮かべている。
 アンナの体調が悪いこともあり、馬車の中では二人の会話はなく黙ったままだった。
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