聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 マリーがドレスに着替え終えると、メイドはウィラルドを呼びに行った。
 数分も経たたずにドレスルームの扉をノックされる。
 マリーが返事をすると、ウィラルドは扉を開けてドレスルームへ入る。先程とは違い、ウィラルドは王太子の衣装を着ていた。
 「準備は済んだようだな」
 ウィラルドは豪華な鏡台の前に座っているマリーへ声をかける。
 ウィラルドの声は普段と同じく、マリーへ話す時と変わらない優しく穏やかな声だ。
 マリーは普段と変わらないウィラルドに安心して普段通りに話し始める。
 「ウィラルド様。自分でドレスを選んでみたの。どうかな?」
 マリーは立ち上がり、胸元がリボンのようなオフショルダーになっている淡いピンクの美しいドレスの裾を持ってウィラルドに感想を求める。
 「似合っている。だが、少し足りないな」
 マリーはアクセサリーを付けていなかった。
 ウィラルドはドレスルームにある、ピンクのバラのネックレスと髪飾りを選ぶ。
 ウィラルドはヘアコームになっている髪飾りは後ろで一つにハーフアップにされている部分に付け、ネックレスは鏡に映るマリーの顔を覗くように顔をよせて付ける。
 「どうだ? 気に入ったか?」
 アクセサリーまで気が回らなかったマリーは一層華やかになった自分を見て嬉しそうな笑顔を見せる。
 「はい! ネックレスと髪飾り、とっても綺麗ね」
 マリーはウィラルドに付けてもらったアクセサリーを見ようと頭や身体の角度を変えて鏡に映す。
 「マリーの美しさをよく引き立てている。マリー、綺麗だ」
 鏡に映るマリーは照れながらドレスと同じ色の頬でウィラルドに微笑む。
 「エスコートするのも聖騎士の務めだ。マリー、お手をどうぞ」
 「はい」
 マリーは照れながらウィラルドの手を取る。
 ウィラルドはマリーの手を引いて腕を組ませ、パーティー会場の舞踏場へ向かった。
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