聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 ウィラルドの母である王妃はウィラルドとマリーがこちらへ近づいて来るのに気づき、上品な声でウィラルドへ声をかける。
 「あら、ウィラルド。あなたの方から声をかけに来てくれるなんて珍しいわね」
 四十代半ばの上品な淑女のお手本のようなウィラルドの母は胸元に切り込みが入っている、青緑のグラデーションになったエレガントなロングドレスを身に纏っている。
 「母上、お誕生日おめでとうございます。彼女は先日に話しをした女性です。彼女は隣国からこの国へいらした元聖女で現在はリベルテ教派に所属しているマリー様です」
 「彼女がそうなのね」
 ウィラルドの母は公務で多忙だったため、いま初めてマリーと会った。
 ウィラルドの母は落ち着いた声で返してマリーへ視線を向けると、ウィラルドが言葉を続ける。
 「マリー様は俺のパートナーの聖女であり、俺がお慕いしている女性です」
 マリーとウィラルドの母の時が止まる。
 ウィラルドの母はウィラルド本人からマリーがパートナーの聖女とまでは聞いていたが、最後の言葉は今初めて聞かされた。
 「……まあ、とんだサプライズね」
 ウィラルドの母は目を丸くして静かに驚き、数秒後に言葉を返した。
 ウィラルドの母は事前に聞かされていたパートナーの聖女にも驚いたが、女性に無関心だった息子にいきなり親しい女性を紹介されて混乱している。
 マリーもウィラルドの母と一緒に驚いていたが、失礼があってはならないと思い、自己紹介を始める。
 「王妃殿下、お初にお目にかかります。ご挨拶が遅くなりました。ウィラルド様から紹介に預かりましたマリー・ラフェクシヨンです。お誕生日、お祝い申し上げます」
 「お祝いの言葉をありがとう。マリーさんもパーティーを楽しんでね」
 ウィラルドの母は笑顔だが、混乱する頭でお辞儀をするマリーに言葉を返した。

 二人はウィラルドの母に挨拶を終えると、マリーはウィラルドの言葉の意味を確認する。
 「ウィラルド様、さっきの言葉ーー」
 「そのままの意味だ」
 マリーが顔を赤くして嬉しそうに喜ぶのを見てウィラルドも嬉しそうに表情を和らげる。
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