聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
 ウィラルドの母への挨拶を済ませると、マリーはウィラルドに問われる。
 「マリーは今日のパーティーで、どのように過ごしたいのか希望はあるか?」
 マリーの頭の中ではお姫様のようにウィラルドと踊る自分がいるが、マリーはダンスができない。
 マリーはダンスに加わる男女のペアを羨ましそうな視線で無意識に見つめる。
 「マリーはダンスがしたいのか?」
 「あ、うん……。やったことがないから見てたの。ウィラルド様、パーティーでの過ごし方を教えてくれる?」
 「まともに出席をしたことがない俺に聞くのか」
 ウィラルドは公式パーティーには出席するが、それ以外のパーティーでは必要最低限な事を終えるとすぐに退場していた。
 「ウィラルド様はどう過ごしていたのかなと思ったの」
 「俺一人の時とは違い、すぐに退場するわけにはいかないな。静かに過ごすか」

 ウィラルドの提案でマリーはパーティーに用意されている料理を楽しむことにした。
 ウィラルドにとっては代わり映えのしないパーティー料理だが、マリーにとってはどれも見たことがなくて新鮮だ。
 「どれも美味しいね! 初めて食べたわ。こんなに美味しい料理が作れるなんてすごいわ!」
 マリーは目を輝かせて美味しそうに料理を食べ、ウィラルドはそれを微笑ましそうに見ている。
 「よほど美味いんだな。ほら、口の端に付いているぞ」
 ウィラルドはマリーの口の端に付いているソースを親指で拭ってそれを舐め取る。
 「美味いな。以前と味が違うか? 隠し味を変えたか」
 ウィラルドはマリーを見ると、食べる手を止めて赤面した顔でウィラルドを見つめている。
 「ほら、もっと食べろ。まだ食べられるだろ?」
 「ウィラルド様は食べないの?」
 「じゃあ一緒に食べるか」
 二人は仲睦まじく、美味しそうに料理を楽しんだ。
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