く ち な し―身代わりの恋
大橋が目を丸くした。

「七年?……そんなに、してないの?」

そりゃ驚くよね。
夫も私もまだ三十代なのに。

頷くと、直ぐに大橋が唇を合わせて、そして、ぐっと抱き締めてきた。

「バカな旦那だな。こんなに良い女なのに」

チープな言葉だけれど嬉しかった。

「でも、妊娠しない事で私の女としての価値はうんと下がったの、だから、夫は、」

――私を、愛さない。


「梓の価値は俺が決める」

大橋は、立ったまま、私の全身を愛し始めた。
どうして、この人は、こんなに丁寧なんだろう?

指や口を使った愛撫は、浴槽のヘリに腰をかけても、湯船に浸かっても続けられた。
気持ち良さが失われる隙を、一瞬でも与えないようにしてるみたい。

「梓は、可愛いよ」

くすぐったい言葉一つでも芯は熱くなり、もう限界だった。

「全部、出して良いから」

大橋の導く声が浴室に響き渡る。

快楽の頂を迎えて、私は崩れ落ちた。
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