く ち な し―身代わりの恋
大橋に抱きかかえられて、ベッドの方へと移動する。
ゆっくりと、壊れ物でも扱うかのように寝かされた。

今度こそ、一つに結ばれると思ったのに、

「眠って良いよ、梓は」

大橋は、私の優しく髪を撫でるだけ。

「……貴方は、イかないの?」

大橋は首を横に振って、顔に引っ付いた私の髪を耳にかけたりしていた。

「やっぱり、俺は梓を汚さないと決めた」

「え?」


 ″汚さない ″ ?

「それじゃ、貴方が……」

「俺は梓とこうしてるだけで満足なんだよ」

「そんな、」

男の人っている?
不可解な言動に戸惑っていると大橋が私を抱き締めてきた。

「今だから言うけど、梓の事は選挙の前から知ってたんだ」
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