く ち な し―身代わりの恋
「子供が一歳の時に原因不明の高熱が出て、血液検査をしたんだ」

悲しい予感がした私は、大橋の胸に埋もれるように話を聞いた。

「そしたら、俺と嫁さんからは産まれる筈のない血液型だった」

″ 雄飛 ″さんの家の、大橋だけをズームアップした写真。

あれは大橋の事を大好きな証だと思ってたけど。

「……それで?」

「問い詰めたら他の男の子供だった」

「結婚前に浮気してたって事?」

「正確に言うと妊娠する為だけに他の男と寝たらしい。体を張って結婚する気の無かった俺をハメたんだよ」

「凄い奥さんだね……」

「あぁ」

大橋の鼓動が速くなった。

だから、奥さんのこと良く言わなかったのな。
でも、子供は――?

聞いていいのかな?

「……じゃあ」

躊躇いながらも訊ねてみる。

「そのお子さんとは、普通に暮らしてるの?」
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