く ち な し―身代わりの恋
八年前の今日。
姉は女の子を出産した。
くしくも、その日は姉の誕生日だった。
離婚して間もない頃だったので、別れた祐介さんの子供なのかと思ったら、そうではなかった。
″大橋の子供なの″
もしかしたら、と思っていたがかなり驚いた。
二人がそんなに深い仲だった事も、長年、姉を悩ませていた不妊の原因があっちにあった事も。
その後。
不倫と詐欺事件の渦に巻きこれていた姉は、妊娠中期に県外へ引っ越し身を潜めた。
姪におめでとうを言いたくて姉に電話をかける。
「誕生日おめでと、楓ちゃん。プレゼント送っておいたからね」
《プレゼント? なぁに? 》
可愛い声。
いつまでも聞いていたい。
それなのに、
《人気作家さんの事だから、きっと本ね》
電話に姉が出てきた。
《えー、本?! つまんない! いらない》
楓がふて腐れている。
「本じゃないよ! 今日の夕方の便で届くから楽しみに待ってて! ね、楓ちゃん!」
《なに小学生相手に気持ち悪い声出してんのよ。そんなだから未だに独身なのよ》
カチン、ときたが姉の言うことは当たってる。
俺は楓が大好きで、楓が幸せになることを一番に考えている。
姉は女の子を出産した。
くしくも、その日は姉の誕生日だった。
離婚して間もない頃だったので、別れた祐介さんの子供なのかと思ったら、そうではなかった。
″大橋の子供なの″
もしかしたら、と思っていたがかなり驚いた。
二人がそんなに深い仲だった事も、長年、姉を悩ませていた不妊の原因があっちにあった事も。
その後。
不倫と詐欺事件の渦に巻きこれていた姉は、妊娠中期に県外へ引っ越し身を潜めた。
姪におめでとうを言いたくて姉に電話をかける。
「誕生日おめでと、楓ちゃん。プレゼント送っておいたからね」
《プレゼント? なぁに? 》
可愛い声。
いつまでも聞いていたい。
それなのに、
《人気作家さんの事だから、きっと本ね》
電話に姉が出てきた。
《えー、本?! つまんない! いらない》
楓がふて腐れている。
「本じゃないよ! 今日の夕方の便で届くから楽しみに待ってて! ね、楓ちゃん!」
《なに小学生相手に気持ち悪い声出してんのよ。そんなだから未だに独身なのよ》
カチン、ときたが姉の言うことは当たってる。
俺は楓が大好きで、楓が幸せになることを一番に考えている。