く ち な し―身代わりの恋
大橋がにじみよる。

「……な…に?」

大橋は、私の全体像、顔をじっくりと見つめ、とても低い声で条件を言った。

「俺と付き合って。週に一度くらい会って欲しい」

「……え」

結婚して10年。
35歳。今年、36になる。

夫も抱かない、女としての魅力は失われている年齢だと思っていた。

「……そんなの、無理です」

ここにきて、そんな事を要求されようとは――。
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