く ち な し―身代わりの恋
「俺も素人相手にこっちはヤったこと無いんだ、大人しくしろ!」

頭を床に押さえつけられたあと腰を上げさせられ、ざらついた指が誰にも触れられた事の無い所を弄くりだす。
羞恥で顔は燃えるように熱かった。

もう、ダメだ……――
死にたい。
諦めるように力を抜いた時だった。


ドンドン!

インターホンではなく、ドアを激しく叩いて誰かが呼んだ。

「おーい、開けてくれ!」

服部さんの荒い呼吸も動きもピタリと止まった。

「宮崎に行ってるんじゃなかったのか?」

顔に怒りと不安が漂う。

夫は、浮気する為に宮崎に泊まる筈だ。
けれど、幸運な事にこのタイミングで帰ってきた。

服部さんは私から離れると、玄関の靴を取ってウッドデッキの方から出ていこうとした。

「旦那にも、警察にも言ったら今度は町全体であんたを追い込むからな!」

ただの脅しとは思えない、鋭い眼差しを向けて――
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