く ち な し―身代わりの恋
「痛いわけないだろ? 感じるだろ?」

酒臭い息を吐きかけて、祐介の手が下の方へと移ってくる。
やっぱり雑。
あの愛人にもそうなの?
絶対に違うよね?

「こんな所でしたくないし感じないから!」

「嘘つけ、濡れてるじゃん」

「それはお湯!」

夫から奪われたシャワーが、時折狂ったように熱いお湯をかけてくる。それで身体がびくつくのに、「敏感だな」と勘違いするし。

「挿れるぞ」

「ちょ、嫌だって!」

自己中なセックスを押し進める祐介の目には、きっと私は映ってはない。

こんな時に、不意に大橋の尽くすような愛撫を思い出した。
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