振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「そっか、誘ってよかった。」
その笑顔が優しくて、見ているだけで胸がいっぱいになる。
やがてイルカショーの時間になり、二人で席に座る。
水しぶきが上がるたび、周りから歓声があがった。
イルカが高く跳ねるたびに、私は思わず拍手してしまう。
「すごい……!」
「ほんとだね。」
隣を見ると、光くんも楽しそうに笑っていた。
その横顔を見ていると、ふと昔の記憶がよみがえる。
一緒に笑ったこと。
一緒に驚いたこと。
一緒に帰った帰り道。
全部、ちゃんと覚えている。
忘れたくなかったんだと、今さら気づく。
ショーが終わったあと、少しだけ人の流れが落ち着いた。