振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
第5話「合同文化祭のお知らせ」
少し冷たい風が、制服の袖をかすめていく。
校門をくぐると、グラウンドから運動部の掛け声が響いていた。
あの日、カラオケで再会してから1週間くらいが経った。
「……。」
教室へ向かう廊下を歩きながら、私は無意識にため息をつく。
頭の中から離れない。
“澪ちゃん。”
あの優しい声も。
“もっと可愛くなったね。”
そう言って照れくさそうに笑った顔も。
そして——
“また会えて嬉しい。”
その言葉が、何度も何度も胸の中で繰り返されていた。
「はぁ……。」
「みーおっ!朝からため息なんて珍しいじゃん。」
「きゃっ!」
後ろから咲に抱きつかれて、思わず飛び上がる。