春がつれてきたきみは・・・
いつもはどんなに面倒なことでも、父が誰かを救えって言えば従ってきた。

間違ったことは決して言わないし、父を尊敬していたから。

でも今回ばかりはそうはいかない。

だって意味がわからないんだから。

「無理」

『困っている人がいたら手を差し伸べてやるのが田代家の家訓だよ』

「でも理由が分からなくちゃ無理。しかも見掛け倒しの弱虫じゃん。月夜川剣道部の人にバラすよ。お宅の監督さん、とんだチキン野郎ですよって」

『理由がわからなくても救うことはできるさ』

「どうやって?」

『そばにいてやればいいんだよ』
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