過保護な偽装結婚 〜契約妻なのに推し副社長が甘すぎる〜
第三話 引越しと推しグッズ
*
「えっ、ここが副社長のマンションですか?」
都心にそびえ立つ超高級マンションの入り口で、七海はぽかんとしてしまった。
雑誌で取り上げられているのを見たときは、こんなところに住む富豪はどんな人だろうと想像をめぐらしたものだったが、まさか、樹生が暮らしていたなんて。
「たしか……、ここってメゾネットタイプでしたよね?」
「よく知ってるね。俺たちにとってちょうどいいとは思わないか?」
どことなく愉快そうに話す樹生の後ろについていく。オートロックのドアを抜けて、エレベーターに乗り込んだ七海を連れていくのは、最上階だった。
玄関ドアを入ると、いきなりリビングが広がった。その広々としたホテルのスイートルームのような室内に、普通はお目にかかれない階段がある。
「副社長、あの階段って……」
「樹生」
「え?」
階段をさし示す七海の人差し指を、樹生がそっと手のひらに包み込む。
「ここはもう会社じゃないから、学生時代のように接してくれたらいい」
「あ……、えっと、樹生さん、あの階段の先はどうなってるの?」
ほんの少し身をかがめて冗談っぽく微笑む彼から目をそらし、手を引っ込めて七海は尋ねた。
「案内するよ」
ネクタイをゆるめながら歩く彼を追いかけて、階段を昇った先には、大きなガラス窓とティータイムが楽しめるようなサンルーム、その奥に三つのドアがあった。
「俺も引っ越してきたばかりで、一番奥は倉庫代わりになってるから、七海はどちらか好きな部屋を使うといいよ」
「樹生さんの寝室はどこなの?」
「一階にあるから安心して」
「安心って、別に……」
「えっ、ここが副社長のマンションですか?」
都心にそびえ立つ超高級マンションの入り口で、七海はぽかんとしてしまった。
雑誌で取り上げられているのを見たときは、こんなところに住む富豪はどんな人だろうと想像をめぐらしたものだったが、まさか、樹生が暮らしていたなんて。
「たしか……、ここってメゾネットタイプでしたよね?」
「よく知ってるね。俺たちにとってちょうどいいとは思わないか?」
どことなく愉快そうに話す樹生の後ろについていく。オートロックのドアを抜けて、エレベーターに乗り込んだ七海を連れていくのは、最上階だった。
玄関ドアを入ると、いきなりリビングが広がった。その広々としたホテルのスイートルームのような室内に、普通はお目にかかれない階段がある。
「副社長、あの階段って……」
「樹生」
「え?」
階段をさし示す七海の人差し指を、樹生がそっと手のひらに包み込む。
「ここはもう会社じゃないから、学生時代のように接してくれたらいい」
「あ……、えっと、樹生さん、あの階段の先はどうなってるの?」
ほんの少し身をかがめて冗談っぽく微笑む彼から目をそらし、手を引っ込めて七海は尋ねた。
「案内するよ」
ネクタイをゆるめながら歩く彼を追いかけて、階段を昇った先には、大きなガラス窓とティータイムが楽しめるようなサンルーム、その奥に三つのドアがあった。
「俺も引っ越してきたばかりで、一番奥は倉庫代わりになってるから、七海はどちらか好きな部屋を使うといいよ」
「樹生さんの寝室はどこなの?」
「一階にあるから安心して」
「安心って、別に……」