過保護な偽装結婚 〜契約妻なのに推し副社長が甘すぎる〜
「出したい荷物があるときは声かけてね。……あ、あと、家賃っ!」
「それがどうした?」
ローテーブルにカップを置いて、ソファーに腰をおろした彼が、眉をあげる。
「ほら、結婚したって言っても、分けるところは分けないと」
「俺たち、分けてることばっかりだけどね」
「それは……そうだけど」
婚姻届を一緒に出したこと以外、何も混じり合っていない。ここに暮らしたって、同居してるようなものだ。だからこそ、家賃は分けるべきで……。
樹生が手招きするから、七海は首をかしげた。
「何?」
「家賃、教えるから」
ソファーを指差すから、彼の隣に腰をおろすと、耳にいきなり顔を近づけてくる。びっくりして離れようとしたら、グッと腕をつかまれて、ささやかれた。
その低い魅力的な声とは裏腹に、家賃の値段はかわいくなくて、七海は目を見開いた。とてもではないが、貯金をはたいても出せる金額じゃない。
「家賃は俺が払うよ。俺に付き合わせてる迷惑料だと思ってくれたらいい」
「……あ、め、迷惑じゃ……ないよ」
そう言うだけでせいいっぱいだった。樹生は友だちのように接してくれるけど、普通だったら絶対に近づけない雲の上の人だから、一緒にいられるだけで幸運だった。
「ならよかった」
樹生はほっと息を吐き出すと、コーヒーを口に運ぶ。
「あっ、そうだ。樹生さんをよく思ってない親戚の人って、友澤ビルマネジメントで働いてる人なの?」
「それがどうした?」
ローテーブルにカップを置いて、ソファーに腰をおろした彼が、眉をあげる。
「ほら、結婚したって言っても、分けるところは分けないと」
「俺たち、分けてることばっかりだけどね」
「それは……そうだけど」
婚姻届を一緒に出したこと以外、何も混じり合っていない。ここに暮らしたって、同居してるようなものだ。だからこそ、家賃は分けるべきで……。
樹生が手招きするから、七海は首をかしげた。
「何?」
「家賃、教えるから」
ソファーを指差すから、彼の隣に腰をおろすと、耳にいきなり顔を近づけてくる。びっくりして離れようとしたら、グッと腕をつかまれて、ささやかれた。
その低い魅力的な声とは裏腹に、家賃の値段はかわいくなくて、七海は目を見開いた。とてもではないが、貯金をはたいても出せる金額じゃない。
「家賃は俺が払うよ。俺に付き合わせてる迷惑料だと思ってくれたらいい」
「……あ、め、迷惑じゃ……ないよ」
そう言うだけでせいいっぱいだった。樹生は友だちのように接してくれるけど、普通だったら絶対に近づけない雲の上の人だから、一緒にいられるだけで幸運だった。
「ならよかった」
樹生はほっと息を吐き出すと、コーヒーを口に運ぶ。
「あっ、そうだ。樹生さんをよく思ってない親戚の人って、友澤ビルマネジメントで働いてる人なの?」