過保護な偽装結婚 〜契約妻なのに推し副社長が甘すぎる〜
「孫にまで干渉しませんよ。ただ、あなたが友澤の後継者になるのでしたら、それなりにやってもらわないといけませんよ」
「そういうのが嫌がられるんですよ、お母さん」

 洋一が苦笑いしながら口を挟む。

「七海さんは優秀な秘書だから、ゆくゆくは経営側に回って、樹生を支えるはずです。許す許さないはありませんから」
「……洋一まで。わかりました。問題を起こさない限り、何も言いません」

 すねるように言ったのり子がおかしかったのか、樹生がかすかに笑う。

「七海を傷つけるようなことがなければ、俺は友澤を守っていきます。そうでないなら、すぐにでも出ていきますから」
「会社よりも大事なように言うのね」
「当然です。社長は俺以外でもできますが、妻の代わりはいませんから」
「あなたは昔から反抗的ね。でも、言ったことはやる子でしたから、期待するとします」
「光栄です。それでは、俺たちもそろそろいいですか?」

 樹生はさっさと腰をあげる。

「ええ、いいわ。……そう、結婚式はまだ?」
「これからです。来年あたり、良い季節に挙げようかと思います」
「それはいいわね。私も呼んでちょうだい」
「もちろんですよ」

 のり子はほっと息をつく。洋一と理沙子の結婚式は挙げられなかった。まるで、その罪から逃れたような表情だった。
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