君の隣は、呼吸ができる
第5話 もう少しの辛抱だから
その後も、いつも通りでありながら、喉の奥に何かが詰まったような……。
どうにも落ち着かない日々が続いていた。
真樹は相変わらず、引っ越しのことを言わない。
私からも聞けない。
あれは、母の聞き間違えだったのかもしれないと、時々思ったりもする。
ここまできたら。
真樹が言ってくれるまで、知らないフリをしようと思っていた。
――そう、意地みたいなものだった。
今日は、フットサルの練習試合を観に来ている。
中学時代の同級生と真樹が結成したチーム。
友だちから誘われて、去年から私も応援に行くようになった。
正直、このスポーツのルールはよく分からない。
でも、真樹もいるし、みんなで会うのが楽しみになっている。
雲ひとつない青空の下。
強い日差しが、屋外コートの人工芝をじりじり熱している。
ホイッスルの音とともに激しい足音が響くと、風を切って走る真樹の姿がすぐ目に入る。
(真樹ー!! 頑張ってーーー!)
拳を握って心の中で声援を送る。
改めて見ると、真樹の背の高さがコート上で際立つ。
黒髪を無造作にかき上げる仕草も、紺色のユニフォーム姿も、なんだかいつもより眩しく見えて目が離せない。
彼の鋭い視線がゴールを狙う。
直後、周りで拍手が沸き起こった。
「やったあああ!」
隣の友だちと一緒に手を叩いていると、真樹がこちらを向いて笑顔を見せてくれる。
私の後ろから、女の子たちの歓声が聞こえた。
仲間たちが真樹の周りに集まってくる。
スポーツに熱くて、無邪気な笑顔で喜ぶところ、小さい頃から変わっていない。
照り返す熱気と、人工芝特有の匂い。
屋根付きの観客席とはいえ、座っているだけでも汗が止まらない。
おでこに張り付く前髪も気にせず、私はただ、真樹の姿を必死に追いかけていた。
どうにも落ち着かない日々が続いていた。
真樹は相変わらず、引っ越しのことを言わない。
私からも聞けない。
あれは、母の聞き間違えだったのかもしれないと、時々思ったりもする。
ここまできたら。
真樹が言ってくれるまで、知らないフリをしようと思っていた。
――そう、意地みたいなものだった。
今日は、フットサルの練習試合を観に来ている。
中学時代の同級生と真樹が結成したチーム。
友だちから誘われて、去年から私も応援に行くようになった。
正直、このスポーツのルールはよく分からない。
でも、真樹もいるし、みんなで会うのが楽しみになっている。
雲ひとつない青空の下。
強い日差しが、屋外コートの人工芝をじりじり熱している。
ホイッスルの音とともに激しい足音が響くと、風を切って走る真樹の姿がすぐ目に入る。
(真樹ー!! 頑張ってーーー!)
拳を握って心の中で声援を送る。
改めて見ると、真樹の背の高さがコート上で際立つ。
黒髪を無造作にかき上げる仕草も、紺色のユニフォーム姿も、なんだかいつもより眩しく見えて目が離せない。
彼の鋭い視線がゴールを狙う。
直後、周りで拍手が沸き起こった。
「やったあああ!」
隣の友だちと一緒に手を叩いていると、真樹がこちらを向いて笑顔を見せてくれる。
私の後ろから、女の子たちの歓声が聞こえた。
仲間たちが真樹の周りに集まってくる。
スポーツに熱くて、無邪気な笑顔で喜ぶところ、小さい頃から変わっていない。
照り返す熱気と、人工芝特有の匂い。
屋根付きの観客席とはいえ、座っているだけでも汗が止まらない。
おでこに張り付く前髪も気にせず、私はただ、真樹の姿を必死に追いかけていた。