君の隣は、呼吸ができる
ビルの自動ドアが開くと、湿った生ぬるい風が吹き込み、ボサボサの髪が顔に張り付く。
まばらな人影の中、並んで歩く男女の会社員の姿が目に入るたび、夕方の出来事を思い出してしまう。
「はああ……」
いっそ夜の闇に溶けて消えてしまいたいと思いながら、今日一番の深いため息をつく。
「大きい兄ちゃんと喧嘩したのか?」
先輩の言葉に、ギクリとする。
私は答えられないまま、曖昧に苦笑いをした。
そんな私に気にする様子もなく、先輩が歩き出した。
私も急いでついて行く。
ビルやコンビニの明かりに照らされて伸びる人影を見つめながら、少しずつ冷静さを取り戻す。
(もしかして)
(私って、真樹の邪魔になってる……?)
先を歩く先輩の背中が、真樹の後ろ姿に重なった。
(……真樹は、どう思ってるんだろう)
「あの、先輩……」
「ん?」
「小さくて子どもみたいな女の子といつも隣にいるのって、どう思いますか?」
先輩はこちらを見ず、「うーん」と少し考えてから、あっさり言った。
「俺だったら、周りからロリコン扱いされそうで嫌だな」
「……!」
(ロ、ロリ……コン!?)
胸にグサリと痛みが走った。
「でも」
先輩が軽く首を傾げる。
「相手のことが好きなら、また考えが違うかもなー」
「え……?」
距離が離れてきたので、小走りで追う。
隣に追いつくと、先輩が横目で私を見た。
「前に、俺より背の高い子と付き合ったことあるぞ」
「気にならなかったんですか……?」
「別にー?」
本当に何でもなさそうに言う。
そして、ははっと軽く笑い出した。
「好きかどうか、なんだよ。結局は」
その言葉が、胸の奥に落ちていく。
まばらな人影の中、並んで歩く男女の会社員の姿が目に入るたび、夕方の出来事を思い出してしまう。
「はああ……」
いっそ夜の闇に溶けて消えてしまいたいと思いながら、今日一番の深いため息をつく。
「大きい兄ちゃんと喧嘩したのか?」
先輩の言葉に、ギクリとする。
私は答えられないまま、曖昧に苦笑いをした。
そんな私に気にする様子もなく、先輩が歩き出した。
私も急いでついて行く。
ビルやコンビニの明かりに照らされて伸びる人影を見つめながら、少しずつ冷静さを取り戻す。
(もしかして)
(私って、真樹の邪魔になってる……?)
先を歩く先輩の背中が、真樹の後ろ姿に重なった。
(……真樹は、どう思ってるんだろう)
「あの、先輩……」
「ん?」
「小さくて子どもみたいな女の子といつも隣にいるのって、どう思いますか?」
先輩はこちらを見ず、「うーん」と少し考えてから、あっさり言った。
「俺だったら、周りからロリコン扱いされそうで嫌だな」
「……!」
(ロ、ロリ……コン!?)
胸にグサリと痛みが走った。
「でも」
先輩が軽く首を傾げる。
「相手のことが好きなら、また考えが違うかもなー」
「え……?」
距離が離れてきたので、小走りで追う。
隣に追いつくと、先輩が横目で私を見た。
「前に、俺より背の高い子と付き合ったことあるぞ」
「気にならなかったんですか……?」
「別にー?」
本当に何でもなさそうに言う。
そして、ははっと軽く笑い出した。
「好きかどうか、なんだよ。結局は」
その言葉が、胸の奥に落ちていく。