君の隣は、呼吸ができる
私は小さく深呼吸をした。

「……ねえ、真樹」

「ん?」

「昨日ね。離れても幼馴染と言ってくれて、嬉しかったよ」

「……うん」

喉が苦しくなって、呼吸が震える。


(……怖い……)

それでも、自分の気持ちに気付いてしまったから。

私は、この時間を動かしたい。


「あのね」

膝の上でギュッと拳を握る。

「……私」
「真樹と、幼馴染をやめたい」

その瞬間。真樹の表情が止まった。

「……え」

困ったように、私を見る。

「……何で……?」

かすれた声だった。
それに、明らかに傷ついたみたいな目をしていた。

(違う。離れたいって、言いたいんじゃない)


すぐに次の言葉を口にしたいのに、なかなか言えなくて唇を噛む。

視界が滲みながら、私は声を絞り出した。

「私の知らない誰かのところに行かないで……!」

真樹の息を飲む音が聞こえた。
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