君の隣は、呼吸ができる
こうして、わくわくしながら信号を渡り切った――けれど。
(うげっ)
(げえっ)
(げええ……っ)
足が、ものすごく痛い。
正直に言うと、待ち合わせ場所へ向かっている時から、なんとなく嫌な予感はしていた。
さっき、無理に背伸びをして踵を浮かせてから、とうとう足が悲鳴を上げ始めた。
歩くたびに、つま先が靴の中でぎゅっと押し込まれて、痛みが全身に走る。
踵も擦れて、じわじわと熱を持ち始めていた。
(やっぱりこの靴……私には合わないかも……)
前に履いた時だって、散々な目に遭った。
それでも今日は、どうしてもこの靴を履きたかった。
今度こそ、真樹と楽しい思い出にしたかったのに。
(だ、大丈夫……)
(お店まで行けば、あとは座っていられるもんね……!)
自分にそう言い聞かせて、苦痛に気付かれないようヘラヘラと笑いながら隣を歩く。
けれど、一歩進むたびに痛みは鋭さを増していった。
不意に、真樹が立ち止まる。
そっと顔を上げると、彼は無言で私を見下ろしていた。
ゆっくりと視線を下げ、私の顔と足元を交互に見る。
「若葉。何か、隠してるだろ」
「う、ううん。隠してないよ……?」
「……」
真樹の眉間に、あからさまなしわが寄る。
(う……、バレてる……)
観念して、私は白状した。
「……ちょっとだけ、靴擦れしました……」
「それ、ちょっとだけの顔じゃないな」
そう言ってから、心配そうな顔で私の足元を見つめる。
彼の腕に支えられながら、靴を少しだけずらす。
案の定、踵の皮膚が赤く剥けかけていた。
せっかくの記念日なのに。
また、背伸びをして失敗してしまった。
(うげっ)
(げえっ)
(げええ……っ)
足が、ものすごく痛い。
正直に言うと、待ち合わせ場所へ向かっている時から、なんとなく嫌な予感はしていた。
さっき、無理に背伸びをして踵を浮かせてから、とうとう足が悲鳴を上げ始めた。
歩くたびに、つま先が靴の中でぎゅっと押し込まれて、痛みが全身に走る。
踵も擦れて、じわじわと熱を持ち始めていた。
(やっぱりこの靴……私には合わないかも……)
前に履いた時だって、散々な目に遭った。
それでも今日は、どうしてもこの靴を履きたかった。
今度こそ、真樹と楽しい思い出にしたかったのに。
(だ、大丈夫……)
(お店まで行けば、あとは座っていられるもんね……!)
自分にそう言い聞かせて、苦痛に気付かれないようヘラヘラと笑いながら隣を歩く。
けれど、一歩進むたびに痛みは鋭さを増していった。
不意に、真樹が立ち止まる。
そっと顔を上げると、彼は無言で私を見下ろしていた。
ゆっくりと視線を下げ、私の顔と足元を交互に見る。
「若葉。何か、隠してるだろ」
「う、ううん。隠してないよ……?」
「……」
真樹の眉間に、あからさまなしわが寄る。
(う……、バレてる……)
観念して、私は白状した。
「……ちょっとだけ、靴擦れしました……」
「それ、ちょっとだけの顔じゃないな」
そう言ってから、心配そうな顔で私の足元を見つめる。
彼の腕に支えられながら、靴を少しだけずらす。
案の定、踵の皮膚が赤く剥けかけていた。
せっかくの記念日なのに。
また、背伸びをして失敗してしまった。