君の隣は、呼吸ができる
真樹が連れてきてくれたのは、近くの靴屋だった。

店員さんに事情を話して、ワンピースにも合わせられるものをいくつか出してもらう。
その中で私が選んだのは、緑色の小さなリボンが付いたフラットシューズだった。

結局、いつもと似たようなデザインのぺたんこの靴。

でも、このリボンの形が、私たちの鍵に付けている葉っぱを抱えたハムスターのキーホルダーにそっくりで、一目で気に入ってしまった。

ここでも真樹は「俺が出す」と言い張る。
私がお財布を出そうとしても、「却下」の一言でレジへ向かってしまった。


足に絆創膏を貼っていると、店員さんに靴のタグを切ってもらった真樹が戻ってくる。

お礼を言ってさっそく片足を入れようとした時、彼が私の前に膝をついた。

「え?」

彼は床に置いてあったもう片方の靴を手に取ると、大きな手でそっと私の足首を支えた。

「え、え、えええ……?」

戸惑っている間に、つま先が靴の中へ滑り込んでいく。
真樹の指が踵に触れて、やさしく靴の中へ収めてくれた。


(な、なんか……!)

目の前に跪く真樹と、履かせてもらった靴を交互に見る。

(おおお、お姫様みたい……っ!!!)
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