誰も気づかない、読んでくれない

23:数字

㉓『数字』

祖父は昔から、会うたびに私の手を握って数字を一つだけ言った。

「12」

次の年は「11」。

また翌年は「10」。

冗談だと思っていたけれど、毎年一つずつ減っていく。

今年、祖父は私の手を握ると、小さく笑った。

「0」

その日の夜、祖父は眠るように息を引き取った。

葬儀の帰り、母が私の手を握る。

少し黙ってから、

「12」

と言った。


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