Honey Melty



お会計で、せめて割り勘で!と財布を出すも「なんで財布出してんの?」と、きょとん顔されて鞄に財布を無理やり押し込まれしまった。

さすがに全額はダメだろと思い「気持ちだけですが…」と再び財布を出して中からお札を出していると「指舐めるよー」と舌を出された。

ゆ、指を、舐める?!え、この指を?!と、自分の指を眺めていたら、ふは、と屈託のない笑みを向けられ、居酒屋を出て、今に至る。



さっきは気が付かなかったけど星もキラキラ光っていて、とても綺麗だ。プラネタリウムのようにくっきり、はっきり目に映るわけではないけど。

「タクシー捕まえるか、駅まで歩くか。てか真鳥って電車通勤?」
「はい、双葉駅が最寄りです」
「結構近いんだな。送ってく」
「えっっ、いや、いいです、大丈夫ですので!」
「はぁ?防犯ブザーとか持ってないくせに大丈夫とか言うなよ。夜道は危ない。ほら、行くぞ」
「……あ、ありがとうございます」

会社で話す男性社員って経理内の上司と後輩、そして分け隔てなく、誰とでも接することができるこの人ぐらいで。中でもこうして女の子扱いしてくれるのは咲間さんぐらいだ。

胸がきゅううう、となる。

「真鳥、行くよ」

夜風に乗せて私の名前を呼ぶその声も、好き。

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