追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
しかし、気づけば数歩進んでしまった。

我ながらお人好しである。

仕方がないと近づいて見てみると、

それは獣でも倒木でもなく―――

人、だった。

灰色の髪をした、長身の男。

厚手の外套を着ているが、雪まみれになっている。

顔色は最悪だった。

「……生きてる?」

返事はない。

私は靴先で軽く脇腹をつついた。

反応なし。

もう一度つつく。

微かに呻き声が漏れた。

どうやら生きているらしい。

「最悪」

思わず本音が出た。

助けるしかないではないか。

このまま放置したら凍死する。

それは流石に、後味が悪い。

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