追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

落ちぶれた二人は辺境に来て初めて互いを認め合う

❅ ❅ ❅

辺境の冬は容赦がない。

王都で見ていた雪など可愛いものだった。

空は灰色に染まり、風は鋭く冷たい。

吹雪けば、数歩先すら見えなくなる。

追放されてから十日ほど。

私はようやく新しい生活に慣れ始めていた。

住まいとして与えられたのは小さな石造りの家。

古いが悪くない。

雨漏りもしなければ、暖炉だってある。

言い方は悪いが、住めば都というやつだろう。

王宮と比べる気はさらさらないため、思ったよりもずっと快適だった。

その日も私は薪を抱えて帰宅する途中だった。

村外れの森の近く。

吹雪が激しくなり始めた頃だった。

ふと、白い雪原に黒いものが見えた。

「……?」

私は足を止めた。

雪に埋もれるように何かが倒れている。

獣か。

倒木か。

あるいは死体か。

正直、見なかったことにして帰りたかった。

こんな天候で面倒事に関わるのは嫌だ。

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