追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
結局、一時間近くかけて家へ連れ帰った。

暖炉に火を入れて、男の濡れた外套を脱がせる。

そこで気付いた。

男の右腕に奇妙な痣がある。

ヘビのように絡みつく黒い紋様。

まるで呪いのようだ。

「……嫌な感じ」

魔法には詳しくない。

けれど、普通ではないことくらいは分かった。

とりあえず毛布をかけてやり、温かいスープを作る。

その間に医者を呼んだ。

そしてその日の夜。

男はようやく目を覚ました。

青い瞳がゆっくり開く。

知らない天井を見て困惑している様子だ。

私はそれを横目に見ながら、椅子に座って本を読んでいた。

男がこちらを見る。

しばらく無言。

先に口を開いたのは向こうだった。

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