追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
寝起きは頭が回らない。

私がベッドから起き上がると、男は呆れた顔をしていた。

「普通、自分で助けた相手くらい覚えているだろう。」

「普通、女性の寝顔は見ないのよ」

「見てない」

「見てた」

「起きるのを待っていただけだ」

「同じことよ」

男はため息を吐いた。

どうやら真面目な性格らしい。

少なくとも、変な男ではなさそうだった。

それに少しだけ安心する。

朝食を作るため台所へ向かうと、後ろから声がした。

「何か手伝おうか」

私は振り返る。

「怪我人は座っていて」

「怪我人扱いされるほど弱くはない」

「吹雪の中で倒れていた人が言う台詞?」

ぐうの音も出なかったらしい。

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