追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
黙りこくった男を見て確信する。

勝った。

朝から少し気分がいい。

朝食は簡単なスープだった。

この村では食材自体が貴重だ。

王宮のような豪華な料理などは食べられるはずもないけれど、

私はそれが嫌ではなかった。

じっとスプーンを見つめる男に怪訝な目を向ける。

「.......何?」

「いや」

彼は少し困ったように笑う。

「久しぶりに誰かと食事をしたなと思って」

返答に困ったため適当に返す。

「感傷的ね」

「そうかもしれない」

「気持ち悪い」

「そこまで言うか」

その時だった。

男がスプーンを持ち直そうとする。

―――右手で。

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