追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

生きがいを無くした騎士は不覚にも人の優しさを知る

❅ ❅ ❅

その日の夜。

外では雪が静かに降っていた。

暖炉の火が、ぱちぱちと音を立てる。

私は机の上に薬草と包帯を並べながら言った。

「レオン」

「なんだ」

「右腕を見せて」

レオンは本を閉じる。

「大丈夫だ」

「大丈夫じゃないから言ってるの」

「少し痛むだけで、いつも通りなんだよ」

「いつも『少し』と言う人は信用できないのよ」

レオンは苦笑した。

「そんなに信用がないか」

「ないわね」

迷いのない即答だった。

「ほら」

むすっとした顔で椅子を指差す。

「座って」

「……はいはい」

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