追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
ようやく観念したらしい。

レオンは暖炉の前へ腰を下ろした。

私は向かいにしゃがみ込む。

「袖をまくって」

黒い痣が現れる。

右肩から手首まで刻まれた、蛇が絡みつくような禍々しい紋様。

昼間よりも黒さが増している気がした。

思わず眉を寄せる。

「どんな風に痛むの?」

「普段は鈍い痛みだ」

レオンは、淡々と静かに答える。

「剣を振ろうとすると焼けるように痛む」

「だから右腕が使えないのね」

「ああ」

指先で痣の周囲を軽く触れる。

同時に、レオンの肩がぴくりと震えた。

「……痛い?」

「少し」

「嘘」

「……だいぶ」

「正直で結構よ」

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