追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
昔のことを思い出して、アリアは自分の手を握りあわせた。

「私は……」

声が震える。

「私は間違ってない。」

誰に言うでもなく。

自分に言い聞かせるように。

「姉上は……強すぎたのよ」

広がる沈黙。

そして――

「そうです、姫。」

背後から声がした。

先程立ち去ったと思っていた、グラントだった。

「貴方が継承権を得るためには、やむを得ないことだったのですよ」

振り返らないアリアを尻目に、グラントは静かに続ける。

「王国は、変わりつつあります。

これからは―――あなたの時代なのです。」

その言葉に、アリアは小さく笑った。

だがその笑みは、どこか空虚なものだった。

< 64 / 121 >

この作品をシェア

pagetop