追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

自分を知らない悪役令嬢は辺境の村を開拓する

❅ ❅ ❅

その日の夕方。

夕食を終えた私は、自室の机に帳簿を広げていた。

窓の外では雪が静かに降り続いている。

暖炉の火だけが部屋を照らしていた。

「……ひどいわね」

思わず呟く。

何度見ても数字は変わらない。

今年の収穫量や税収、人口に家畜の数。

どれを取っても少ない。

「食べるだけで精一杯、か」

赤字ではないが、蓄えもほとんどない。

今年が豊作なら冬を越せるし、不作なら飢える。

そんな綱渡りの暮らしだった。

髪を指先で弄ぶ。

考え事をする時の癖だ。

「水路……」

村の外れにある用水路は半分ほど壊れたままだ。

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