追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く
だが、ここにはそんな権限も資金もない。

「……待って」

私は手を止める。

王都では何か問題が起きるたび、

真っ先に予算を増やそうとする貴族が多かったけれど、

私はいつも、決まってまず無駄を探した。

限られた資金をどう使うか。

それを考えるのが好きだったからだ。

「お金がないなら」

机の上に紙を広げる。

「今あるものを使えばいいわよね」

羽根ペンを走らせる。

村人の人数や力仕事の得意不得意。

木工ができる者。狩人。農家。

それぞれを書き出していく。

『春までに水路を直す』

『畑を広げる』

『余った作物を保存食にする』

『街道を通る商人に売る』

一つ書いては線を引き、また書く。

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