~KissHug~

~29~

ようやく私たちの番になった。

その時芳樹が
「4人掛けだから一緒にどう?」
そう言ったので
私は驚いた。

  なんで~?

「喜んで……」
素良が平静な顔でそう言った。

千鶴は不服そうだった。
もちろん私も不服だ……

四角関係の4人がテーブルを囲む。

向かい合って座ることにして
奥に私と芳樹が座って
私の横に千鶴が座った。

私たちの後からは、モクモクと煙草のけむりが
出ていたから、千鶴が咳をした。

「喘息だからな。素良席変われば?」

  さすが付き合い長い芳樹だ

「ぷーちゃんは大丈夫?」
「私は平気だけど…」

「じゃ、俺も実はあのニオイ駄目なんだ。
頭痛くなるから。いい?」

「うん…」

素良が座った。

ドキドキ……

芳樹に見張られているようで緊張した。
私が好きなのが
素良だってことは、わからないはずなのに
後ろめたさが緊張に拍車をかける

なんだかぎくしゃくする。

でも素良と芳樹は何も変わらない……

注文を済ませた頃、芳樹の携帯が鳴った。

「ちょっと、電話してくる。」

そう言って外に出て行った。

少しして、
「トイレ」
そう言って千鶴がトイレに向かい
私は、素良と二人になった。


「デート?」

「うん。」

「首筋にキスマークついてるよ。」

私は、動揺して首を押さえた。

「うそ。」

  意地悪……

「芳樹とそんなことしてるんだ。
耳に書いてある。
俺に対してのあいつからの宣誓布告だね。」

「今そんなこと言わないで。
ばれちゃうじゃない……」

「芳樹に気つかうんだ~」

「素良だって、千鶴に私のことばれたくないでしょ?」

「別に~」
  はじまった

ジュースが運ばれてきた。

私はコーラをチューと飲んだ。
ストローから口を離したら
素良が自分のコーラと置き換えた。

そして、今口にしていた私のストローに
チュッとキスをして
舌でペロペロ舐めた。


「信じられない……」

「俺今すごーく嫉妬中」
ムッとした声だった。


  素良も嫉妬するんだ

私は能天気にちょっと嬉しくなった。
「ばーか」

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