~KissHug~
「石鹸の匂い…」

私はドキっとした。

「芳樹と同じ匂いがする。」

素良が私を横目で見た。


「いいじゃない…別に…」
キョどった…

「ふ~ん……そうなんだ~」


今日の素良は、
冷たい目をしていた。


芳樹が戻ってきた。

その後から、千鶴が
しっかりと化粧直しをして
戻ってきた。


少し動揺している私は
後ろめたさでさらに動揺した。


「明日さ、都合悪くなった。」
芳樹は小さい声で
バイトが入った

と言った。


明日も会う約束をしてたから
芳樹は、残念そうにしていた。


「いいよ、仕方ないもん。」

「がっかり、せっかく部屋もきれいになったのにさ。」

「次会う時まで、きれいにしててね。」


「講習もはじまるんだろ?」

「あさってからね。
明日は自分の部屋掃除でもするわ。」


残念そうな芳樹の頭を撫ぜてあげたら
にっこり笑った。


芳樹はいろんな表情をみせる
素直に……



ついついとなりの存在を忘れて
今日の部屋の掃除の大変さを
語り合って 話に花が咲く。



「バスタオルは、百均でも売ってるよな。」

「うん、ちゃんと洗濯をしたら
困らないんだから、マメにしなさいってことだよ。」

「ぷーちゃんまた来て
洗濯してくれるだろ?」


千鶴がコップをバン!!と
乱暴にテーブルに置いた。


< 129 / 451 >

この作品をシェア

pagetop