~KissHug~

~39~

カゼをひいてくれたことで
私は一週間家から出なかった。


毎日素良のつけたキスマークを
合わせ鏡で見ていた。

私の恋の終わりをつげるように
キスマークは消えていった。


その日は
雨が降っていた。

芳樹からくる毎日の電話

「さびしい・・・」を連呼していた。

バイト前に驚かせてやろうと
朝早く芳樹のアパートに向かった。


  きっとびっくりするだろう

芳樹の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
素良のキスマークが私を支配したけど
もう形も残さない


アパートのチャイムを鳴らした。

なかなか出てこない。

  まだ、寝てる?
  遅刻するじゃん…

何度も鳴らした。


「…はい…」
寝ぼけた声の芳樹
ワクワクした。

「書留です。」

「書留?なんだ?」
ブツブツ言いながらカギの開く音がした。
「どうぞ、ちょっと待ってて…」

ハンコをとりに部屋に戻った様子だった。


私は、笑いをこらえて
玄関に入って芳樹を待った。


バタバタはしり回っている


  早く来い!!
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