~KissHug~
「芳樹から?」

「うん。」

「ムカつく!!なんで私があんたみたいな
イモにイライラさせられるのか
わかんないんだけど、ホントムカつく!!」

「突然何言ってるの?」

「芳樹に、もうぜったい会わないって言われた。」

「当たり前じゃない。
あなたには素良がいるでしょ?」

「私は、芳樹から離れられない。
心も体も、芳樹がいないとダメなの。」

「ひどい、素良はどうなるの?」

「素良とも離れない。」

「芳樹と素良は、別の人間だけど
一つなの。
どっちがかけても私にはダメなの。
わかってほしいって言わない。
頭おかしいって言われてもいい。
私は、素良も芳樹も離さない。
どんな手を使ったって……」


そう言って千鶴は走っていった。



別々の人間だけど
一つなの


千鶴の言葉は私の心も刺した。


  わかるよ、言ってる意味……


二人を知れば知るほど
その気持ちが強くなる。


私と千鶴はもうそこから
逃れられなくなっている。
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