~KissHug~
「一緒にいることと
愛していることは違う・・・」


「うん。」


素良が私を抱きしめた。


「俺は、歩来の決めたことに従う。」

「本当に?それでいいの?」


「教えてほしいんだ。
受け入れるから・・・・
そこから俺、踏み出すから・・・・」


私はもう一度素良の指に口つけた。


「約束して、こんなことは
もうしないで欲しいの。
生きていたらまた新しい生きがいを
見つけられるもの。」


素良の息が耳にかかる。

「もう、しないよ。
本気で死ねなかった。
怖くて、俺は臆病者なんだ・・・・
情けないだろう・・・・?」


「臆病者でいいよ。
情けなくてよかったわ。」


私たちは笑顔で見つめあった。
< 284 / 451 >

この作品をシェア

pagetop