~KissHug~
瞳と麻衣も一緒に
車で送ってくれた。

麻衣は私の手を握り締めたまま
眠ってしまった。

「今日は、本当に楽しかったです。
美味しいお料理も
お熱いおのろけも ごちそうさまでした。」

「おのろけ?」
院長が聞いた。

「そーよ。恋する乙女に
私の恋バナ教えてあげたの。ね?」

「勉強になりました~」

「きっと答えがみつかるよ。
俺達のように、幸せだって思える答えに
向かって歩いてほしい。
きみにも、芳樹にも、素良にもね……」


「愛する人と愛する人の子供と
歩ける人生を見つけます。
今日お邪魔して大事なことが
見えてきました。
瞳さんのように明るく前向きに
元気に生きてきたら
きっと願いはかないますね。」


「やだ~ふうちゃん~
照れるわ~」

「僕の奥さんは
スーパーマンだからね。
僕が苦しんでる時も泣いてる時も
楽しい時も
さっと駆けつけて
一緒になって助けてくれるからね。
なんなら貸すよ~」


車の中は大爆笑だった。

「麻衣ちゃんは幸せね~
素敵なパパとママで~」


寝息を立てる麻衣の髪を撫ぜた。


家に着くと
父と母に二人揃って挨拶をしてくれて

「残り物ですが・・・」
そう言って、豪華なお土産を
弟に渡した。

「すげーいい匂い!!」
弟が大興奮した。


「また、麻衣に会いに来てね~」
瞳が手を振った。

「ありがとうございました。
おやすみなさい~」

幸せな車は去っていった。
< 356 / 451 >

この作品をシェア

pagetop