~KissHug~

~67~

「歩来・・・・」

「ごめんね、呼び出したのは私なの。
瞳さんにお願いして…
どうしても会って話したかったから……」

素良は無言で歩きだした。


しばらく歩いて
コーヒーショップに入った。

私は慌ててついて行った……



コーヒーを頼んで
席に持っていった。


私が席に着くと

「用事は?」
そっけなく聞く・・・・・

「留学するの?」


「うん。」


「しばらく帰らないんでしょ?」


「期間は未定。
うまくなじめたら
向こうの大学に行こうと思ってる。」


私は、頭を殴られたような気がした。


「志望校に行かないの?
教師目指さないの?」


「向こうに行って
違う夢が見えたらの話だよ。」


「そう・・・」


「話ってそれだけなの?
俺さ、せっかく来たから
少しぶらぶらしていくから…」



「待って、お願いがあるの。
もう少しだけ一緒にいたい。
これが最後なら
素良と恋人同士になりたい・・・・・
わがままで何訳わからないこと
言ってるのか
わかってるの。
でも、きっと会えない時間に
全てが変わってしまう。
だから、今日だけ・・・
今日だけ・・・・一緒にいたいの・・・」


今にも涙がこぼれそうだった。
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