~KissHug~
「かあさんの墓があるんだ。」

「この坂をずっと上まで行った
あの天狗山の麓に…
だから、たまに来て
ブラブラするんだよ。」


私は山の方を眺めた。


「私は、小樽は家族とまだ2回しかきてない。
運河はテレビで見たのと
車は素通りだったな~
だって、混んでるでしょ?」

「そうか、じゃあ今度ゆっくり
案内する・・・・」
と言いかけて
素良は笑った。

「今日が最後だったな~」

私の手を引いて海の方に向かって歩く。


港には大きなフェリーがあった。


「どこいくの?」

「これは新潟。」

「大きいね~
のってみたいな~」


運河はにぎわってたけど
ここまでくると
あまり人はいなかった。

時間も夕方になって
あたりは真っ暗になってきた。

「そろそろ帰ろうか~」
素良が歩き出した。


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