~KissHug~
私の膝枕で読書する素良

恋人同志だったら、どんな幸せなことだろう。

夕焼けが赤く燃えた。
「もう、帰らなくちゃ…」

「待って…もう少しで読み終わるから…」


静けさを突き破る携帯音




「もしもし…ちーか?
うん…どうした?」

私の膝の上で話す相手は千鶴…


「わかった…
じゃ、こまどり公園で…」


おもむろに素良がおきあがった。

「行くの?」

「そりゃ行くよ。姫のお呼びだから~」

「じゃ…私帰るね。」


素良の背中がウキウキしているように見えた。


「おう!またな、ぷくちゃん!」


   ばかばかばかばかの×10000!!



私の姿なんか見えていない。
いつもの素良に戻りかけている。


私は、そんな素良の背中に抱きついた。


「どうした?」

素良が振り向いた。


その瞬間、素良の唇を奪った。


千鶴に会いに行く素良に
私の刻印を残したい…


素良も私のキスに応じた。


「ぷくちゃん…もう行くわ。」

「うん、バカ…素良…」

「ん?バカってなん?」

「知らない……」



  切ないよ…素良
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