~KissHug~
夢中でキスをした。
私が私じゃなくなっていく……

ちがう私が生まれようとしている


  今日初めてのキスを覚えた私

なのに今、大好きな素良と
こんなに激しいキスをしている。

好きな人とするキスが
こんなに気持ちのいい行為だとは
思わなかった。

これから先に進むのかは
そのつど考えよう……



今は

KissしてHugして
この二人っきりの
幸せな時間を過ごしたい。



「ぷくちゃんの唇もプクプクだ。」

唇を離した素良が
苦しそうに言った。

「素良、ここまでしかダメ!
約束やぶったらもう会わないから。」

強くいうと、ふたりっきりの素良は
大人しくなる。


素良の育ってきた環境なのか…
いつか聞いてみたい

私にしか見せない
つかみようのない素良のもうひとつの顔


それに流された
おとなしい振りをして
素良にキスを求めるもう一人の私



誰にも秘密の
私と素良の時間


そして、
誰にも言えない私の想い


そんな恋を選んでしまった私


素良が大好き

だけど私は素良にとって

『ぬいぐるみ』だけれど


キスして
抱きしめてもらえるなら
幸せだって
そう思おう・・・・


素良のそばにいられる
時間が、わたしにとっても幸せだって


  切ないけど………
  きっと幸せ………

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