~KissHug~
流行りの歌を熱唱する千鶴は
慣れたもので
結構うまかった。


「ね、ね、芳樹!!
この前来たときに歌った曲歌ってよ~」

私たちの知らない出来事を話す二人

  見せつけか?
  しらけるな~

「ぷーちゃん、歌ってよ。」

「私はいいよ。慣れてないし。」
慌てて断った。

「アニソンとか歌っちゃいそう。」
千鶴が意地悪くいい放った。


  うっさい!!

「ちょっとトイレ行くから
好きに歌ってて。」

そう言って部屋を出た。

けたたましくて
それも嫌な奴の
歌を聞き続けるのは限界がある。


トイレとは言ったけれど
下の書店ででも時間を
つぶそうと思っていた。



少し時間をつぶして
部屋に戻る途中で素良に会った。


「トイレ?」

「うん。」

そう言って二人で部屋の前にたった。


  !?

私は、入ろうとした素良の目をふさいだ。


「なに?」

「ね、下の書店に行こう。」

「なんで?へんなやつ、
そろそろ俺の番だし…」



私の手を引き離した。



素良の足が止まった。


私は、まずい…と思った。
< 63 / 451 >

この作品をシェア

pagetop