～KissHug～

その夜から熱が出た。

　　よかった
　　これからをゆっくり
　　考えられるから……


素良に噛まれた耳が
私の心の痛み

この痛みが消えたら、私は
きっと、きっと
強くなれる。


素良が千鶴以外を受け入れられないというなら
ちがうところに住みつきたい。


素良と絶対に離れない。

そして私にはもうひとつ
目的があった。


私が千鶴を悩ませてあげたいって…



素良を一人占めする
自分勝手な女


私が大嫌いだった
あのクラスメートと
重なって見える。


　　私だって人間だもん


こんなに悲しい気持ちは

千鶴には
絶対わからせたい



３日休んで

私は生まれ変わった。



素良といられるために
私のやること


素良が喜ぶこと



それは、ある意味おおきな犠牲を払う

自分の心が
それに耐えるには

素良と密会するだけ……



地味で存在感のない女が立ちあがる


　　まっとけ~千鶴

そう叫んで
悲しくなった。