~KissHug~
地下鉄の改札をぬけたら
芳樹が立っていた。

私の様子に目を丸くした。

「ぷくちゃん?
休んでる間にすっかり……」

「待っててくれたの?」

「うん。」


会話もはずまず
ただ、足並みだけ揃った。


私の様子に注目をする視線を
感じた。
今まで、存在さえも
忘れられていた私は
自信のせいか、
注目されるのが快感だった。


  素良に会いたいな~


「この前は、ごめん。」

「もう、その話はやめよう。」


沈黙が続いた。



教室に入ると
一斉に視線を感じた。


女子がコソコソしていた。
男子は、どよめいていたけど

私は、素良を
すぐ見つけた。



素良が一瞬たじろいたけれど
いつもの目で
私を見つめた。


  ゾクゾクする


素良に見つめられて
私はもっと輝くから


席についた、少ししてから
千鶴に呼び出された。


「ちょっと、いい?」


  きた、きた…………
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