変わるなら今
りと周囲を見回すと、「気が付いた?」という声が聞こえ、ゆっくりと起き上がって目を向けた。
「蒼井…さん…」
「あの大きな地震があった日の昼休み、あなたあの階段で倒れてたの。それでそれで先生を呼んで、救急車を呼んだの。それから4日間くらいここで眠ったままだったんだよ。あなたのご両親にも連絡入れているから知ってる」
椅子に腰掛けている蒼井さんにそう言われ、周囲を見回すと、ここは確かに病院の病室で、私はそのベッドで眠っていたらしい。ベッドの近くの棚に置いてあるスマホに手を伸ばして画面の日付を見ると、確かにあの時から4日ほどが経過していた。ラインを開くと、お父さんやお母さんから、心配や気遣いのメッセージが沢山来ている。当然、美華達からは何も来ていない。スマホを閉じて棚に置くと、視線を下に落として静かにしている蒼井さんの方におずおずと顔を向けた。
「あの…もしかして…助けてくれたのって、蒼井さん…?」
そう聞くと、蒼井さんは視線を下に落としたまま、「別に…たまたま通りかかっただけだよ」とだけ答える。それでも助けてくれたかもしれないから、「あの…ありがとう」とぎこちなく言った。それから会話が途切れ、私は次に何を聞こうか考えた。美華達からカンニングの犯人とされてからという変なタイミングで数日間学校を休んでいたため、あれから学校はどうなっているのかとか、私のことを何かしら噂しているのかとか、色々気になっていて仕方がないのだ。その様子を伺ったのか、「どうかした?」と蒼井さんから声をかけられる。「…あの、美華達って、今どうしてる?」
「あぁ…相変わらずかな。クラスの友達に、あなたの悪口言ってる」
「そうなんだ」
何となく分かってはいたけれど、改めて聞くと複雑な気持ちになった。沈んだ表情で視線を落とす。
「…言ったでしょ?後悔するって」
蒼井さんにそう言われ、私は沈んだ表情のまま小さく頷いた。そして、何となく思っていることを口にした。
「今更だけど、こんなことになるのなら、こうなる前にちゃんと断ったりすれば良かった。そうすれば、何か良い方向に変わってたのかな…」
それを聞いて、少し間を置いて蒼井さんが答える。
「良い方向になるのかどうか、そんなことは分からない。けれど、何も行動しなくても時間が過ぎていくだけで、状況は何も変わらないよ。だけど」
そこまで止めて、蒼井さんはこちらに視線を向けた。あの時と同じ、「後悔する」と言っていた時と同じくらいの真剣な瞳で。
「あの子達があなたを友達と思うなら、あなたが嫌だと言ったことをさせたりしないし、それに今みたいにカンニングの犯人にさせたりしないはずでしょ。あなた次第だけど、これを
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